正午。
ホワイトボードに一時間後の帰社時間を記入し、昼休憩に出る。
昨夜、映画『The FOUNDER』を観た。
マクドナルドの画期的なフードサービスシステムに惚れ込みフランチャイズ化、そして世界最大のファーストフードチェーンに仕立て上げたレイ・クロックという人物の伝記映画である。
その時から、今日の昼食はマクドナルドでと決めていた。
会社から徒歩五分のマクドナルドへと歩きながらアプリで注文をする。
ビッグマックセットにした。
「今だけ!ビッグマックセットがおトクな550円!」とのこと。
ドリンクはマックシェイクに決まっている。
レイ・クロックは元々ミルクシェイクマシンの営業マン。それがマクドナルドとの出会いのきっかけになった。
PayPayにて支払いを完了させる。
昨今のキャッシュレス社会の便利さは、マクドナルドのシステムさながら画期的なのではないか、などと向こうが透けて見えるほど薄っぺらいことを思う。
私が着くと同時に、注文した商品が提供された。
私は歩くスピードそのままに商品を受けとり、2階のイートインスペースへと向かった。
昼時の注文に並ぶ行列を横切るとき、私はどんなに勝ち誇った顔をしていたであろうか。見ていた者がいたなら、できればその記憶を消し去りたいものである。