ミナミの新たなランドマークとして昨年11月に開店した[心斎橋PARCO]。その地下2階に、バルや居酒屋など個性豊かな飲食店が集まった[心斎橋ネオン食堂街]が、3月18日(木)にオープンした。この食堂街のキーマン4名に、誕生の秘話や想いなどを伺った。
お話を伺った[心斎橋ネオン食堂街]プロデューサー陣
picto inc
代表/ART DIRECTOR
ヤマモトヒロユキさん
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オガワ・ジュンゾウクリエイツ
代表取締役社長
オガワジュンゾウさん
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株式会社オペレーションファクトリー
取締役/プロデューサー
南方学さん
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TANK酒場/喫茶
代表
古谷高治さん
90年代のミナミを牽引した
街のオールスターが集結。

–本日はよろしくお願いします。今回プロデューサーとして4名の方が携わっておられますが、きっかけなどはあったのでしょうか?
オガワ:そうですね。まず90年代のアメ村の話になるんですが、当時は“街の遊び人”例えばタンクギャラリーをやっていた古谷さんだったり、グランカフェの南方さんだったり、とにかく濃いメンバーがたくさん居て、様々なムーブメントが起きていました。その当時のメンバーが再び集まったという感じですね。かつては人と人の繋がりから、オモロイことが本当にたくさん起きていました。この[心斎橋ネオン食堂街]でも、そういった人の繋がりや関わり方によって生まれる化学反応に期待したのが始まりでしたね。
南方:そうそう。当時グランカフェで集まっていたようなメンツが久しぶりに集まって「最近ミナミが元気ないから盛り上げたいな」って感じでしたよね。それに90年代は、ミナミの中心といえば心斎橋だったんです。だからもう一度心斎橋でなにかやりたいと思っていて、すごく良いタイミングだなと思いました。
–4人で初めて集まったのはいつ頃だったんでしょうか?
古谷:このメンバー+パルコの担当の方とで、約3年前からミーティングを重ねてきました。大体月1くらいのペースですね。このオープンまでの時間、本当に積んで積んで積んで、積み上げてきました(笑)
–その積み上げた結果、どんなものが生まれましたか?
ヤマモト:ひと言で言うならば、、、カオスですね(笑)
一同:(笑)
オガワ:コンセプトと言うほどでもないですが、単に店舗が集まっただけの施設ではなく、街のキーマンが集結したからこそできる空間づくりを意識しました。そういう意味では、どの店舗も役者が揃っているんじゃないでしょうか。
ヤマモト:全員キャラが立っていますよね。
古谷:本当にそうですね。「どんな空間にしよう」がスタートではなく、誰と誰が居たらオモロイことになるかな、という想像をしたんです。その結果がこの[心斎橋ネオン食堂街]だと思っています。
人と街が交差し
新たなカルチャーが生まれる。

–心斎橋ネオン商店街という名前には、どんな意味があるのでしょうか。
南方:ネーミングを決めるのが、一番最初のヤマでしたね。
オガワ:確かに。どういう名前にしてこの施設をプッシュするのか、みんなでいろいろと模索していました。
南方:この場所で食べたり飲んだりすることを通じて、どう楽しんでもらうということがポイントでした。さんざん悩んだ末に、ふいに生まれたのが「ネオン食堂街」だったんです。シンプルな言葉ですが、ありそうでない名前で良いなと。
古谷:そうそう。それにネオンって聞くと看板をイメージすると思うんですよ。だからこそ僕たちは違う意味を持たせたいなと。新しいという意味のNEO(ネオ)、スイッチを入れるON(オン)。その2つの意味が入った”ネオン”です。
ヤマモト:そう思ったのも、この心斎橋界隈だからこそ。この辺りは昔から文化の発信地だったんです。だから[心斎橋ネオン食堂街]も新たなカルチャーを生み出すスイッチのような役割を担ってくれたらと思いました。
南方:あと、ネオンって受け取る人によって、ポップな印象もあれば歓楽街のイメージもある。幅広くイメージを共有できるワードであることもいいなと思いましたね。
—具体的にはどんなことをこの場所でしようと考えていますか。
オガワ:この場所は人が集まる場所であり、発信をする場所でもあると考えています。中央の大型サイネージでは関西在住のアーティストのアートピースを紹介するほか、[TANK酒場]では様々なイベントの開催も思案しています。それとこれは日本初だと思っているんですが、施設専用のYou tubeチャンネルも開設しました。単なる情報だけでなく、食や芸術などさまざな分野に関わる方の想いを伝えていきたいですね。

—いつ訪れても新鮮な場所になりそうですね。では、皆さんそれぞれが考える[心斎橋ネオン食堂街]の魅力を教えてください。
オガワ:かつて一緒に遊んでいたメンバーが、街で実績を積み、ここで再集結しました。僕たちの集大成ともいえる場所なので、誰にも負けないし負けられないなと思っています。クオリティの高いサービスを提供しますので、ぜひ皆さん楽しんでください。
ヤマモト:完成して改めて思うのは、この心斎橋ネオン街食堂街は、心斎橋パルコの中にできた別の街だなと。食べて遊んで、関わって、一人ひとりがいろいろな楽しみ方ができる場所だと思います。
南方:僕は本業が飲食業なので観点が少し変わりますが、本当に類を見ないタイプの飲食街だと実感しています。[ザ・ニューワールド]みたいにポップな場所もあれば、裏路地感のある一角もあって本当に振り幅が広い。ぜひ一度足を運んでみてください。
古谷:この4人の中では僕が一番若輩者ですが、かつて先輩たちに待場でいろいろと教えてもらいました。今度は僕が下の世代にここからいろいろ伝えたいし、若い子たちが繋がりを持てる場所にしたいですね。フロアの真ん中で[TANK酒場]をやらせてもらいますが、できる限りカウンターに立って、みんなを次のステージに運ぶのが僕の役目かなと思っています。
南方:[心斎橋ネオン食堂街]の主みたいやな(笑)
古谷:そうですね(笑) ウェブやSNSとは違う、リアルで繋がりを持てる価値を感じられる場所にしたいですね!
–皆さんありがとうございました。
バラエティに富んだお店が集まる[心斎橋ネオン食堂街]は、単に選りすぐりの飲食店があるだけでなく、人や文化と触れ合える場所と言えるのかもしれない。ミナミの新たな遊び場として、ますます目が離せなくなりそうだ。
INFORMATION
心斎橋ネオン食堂街
大阪府大阪市中央区心斎橋筋1-8-3
心斎橋PARCO B2F
TEL_06-7711-7400(代表)
営業時間_11:00~24:00
※ラストオーダーは各店によって異なります。
※営業時間は変更になる場合があります。詳細は心斎橋PARCOのHPをご確認ください。
定休日_無休