家族3人でカラオケに行った。
中盤に差し掛かったころ、妻と娘がドリンクの補充に席を立った。もちろん私が歌う順番のときである。
父・母・娘でカラオケに行き、ドリンクの補充に行くとなれば、父が歌う順番でとなるのは当然のことだ。
「お父さん何飲む?」「ウーロン茶でおねがい」
当然のことと知ってはいたが、私は残念に思った。中盤のちょうど温まってきた喉で歌うべく入れた、最も得意としている歌を妻と娘に聞いてもらえないからだ。
と、その歌のイントロが流れた瞬間「あ、お父さんの最も得意とする歌や」と、ドリンクの補充のために立った席に座りなおしてくれた。
私はいつもよりマイクを立てて歌った。