今年結成20周年を迎え、現在「えびす巡業 ~やりたい放題やったる年!!~」で全国ツアーを行っているET-KING。彼らの大阪愛に関して疑う者は誰もいないだろう。昨年決定した2025年大阪万博誘致の際には応援ソングを担当し、開催決定を音楽の力でサポートした。応援ソングを担当することになった経緯や、出来あがった楽曲にメンバーのどのような思いを込めていたのだろう…
「今年結成20周年を迎えるにあたって、今までお世話になった大阪に何か恩返しができないかなって模索してたんです。色々考えながらET-KINGとして活動してる中で、たまたま中之島の方でやってたイベントに呼んでもらってライブをすることになったんです。ただその日が大雨で(苦笑)。雨で濡れないスペースにステージを組んでもらってライブをしてたんですけど、やっぱり雨のせいでお客さんも少なかったんですよね。でもライブなんで、雨の中わざわざ来てくれてるお客さんのためにも、僕らはもちろん全力で歌ってたんですよ。そしたら本当に偶然なんですけど、大阪府の職員の方々がそのライブを観てくださってて。『この雨やのに熱気がすごい! 大阪でこんなやつらおんねんやっ!?』って、僕らの熱を良い感じで受け止めてくださったみたいなんですよ。それがきっかけで、包括連携協定を結ぶことになったんです。大阪府が掲げる政策や活動をPRしたり手伝わせてもらうための協定なんですけど、その活動の一環として、『万博誘致のテーマソングを作ってくれないか?』っていうお話をいただいたんです。それが制作のきっかけですね」
ET-KINGのライブパフォーマンスに、大阪府の職員の方々も感動。大阪を愛する者同士が繋がり大阪万博の開催に向けて進みだしたのは、必然だったのかもしれない。大阪への恩返しを手探りしていた彼らにとって、想像以上にやりがいのある大阪万博誘致の応援ソング。その大きなテーマをどのように昇華し、楽曲を創り上げたのだろうか…
「万博をイメージした時、やっぱり日本全国はもちろん世界中からも色んな人が来られるわけじゃないですか。そこには言語が違ったり、国内の人だったら方言が違ったりね。皆それぞれ地元があって、自分たちの街を愛してる。そんな『世界中の人たちの気持ちが一つになればなぁ』って考えてた時に『そういえば空って世界中と繋がってるやん』って思って。そこからイメージが固まっていって『この街の空』っていうタイトルが生まれました。歌詞を聴いてもらったら分かると思うんですけど、あんまり大阪大阪させてないんですよね。それはやっぱり自分たちの街で感じ取ったものを、万博っていう場所に持ち寄ってもらって盛り上げていきたいという思いもあったので。それと、曲を書き始める前に大阪府の職員の方から『ディスカッションしようよ』って連絡があって、それぞれ参加される企業さんだったり、学生団体の代表の方だったりが『大阪で万博が決まれば、こういうことをしたい!』っていう企画を説明してくださったんですよ。そういう方々の『楽しいことしよう!』とか『未来に繋がることをしよう!』っていう思いを聞く中で、『やっぱり皆目指してるゴールは一つなんやな』って。そういう情熱をメンバーの皆が感じ取って、それぞれに歌詞を持ち寄って話し合って、一つの歌詞として紡ぐことができたっていう思いはありますね」
『この街の空』の出だしである『1つに賭ける情熱、全てがそこへとたどり着く…』という歌詞通り、大阪万博開催を願う全員のアツイ思いを受け止め、ET-KINGらしいリリックとメロディで構成された本楽曲。さまざまな人の思いを受け止め、順調に制作が進行していたと思いきや、実はこの制作途中、ET-KINGは精神的支柱であるいときん氏を失うのである。そんな状況の中にありながら、完成まで辿り着けた理由は何だったのだろうか…
「このお仕事をいただいた時には、もう既に彼の病気が分かってて、それで、ちょっと闘病に集中するってことで、一旦個人的な活動をお休みしてる時期やったんですよね。でも、そんな中でもちょこちょこスタジオに顔を出したりしてて。まぁ、近況報告っていうか、病状の『何かこんな数値下がったわ』とか話をしてる中で、いときんに『大阪万博誘致の応援ソングの制作の仕事もらったわ』ってこっちも報告して。そしたらいときんが『おぉ~!マジかぁ!良かったなぁ!』って言うてくれたりしてね。それで曲の途中段階で一回聴かせたんです。そしたら『おぉ~!ええのできたなぁ!』って言うてくれて。『これはちゃんとカタチにして、しっかり万博呼ばなあかんな!』って話をしてて。もちろんいときんの歌うパートもメンバーで用意してて、歌ってもらおうと思ってたんですよ。でもレコーディングする前に亡くなってしまって。。。一旦制作も止まっちゃって、メンバーの中には弱音を吐いたり逃避行したりっていうのもあったんですけど(苦笑)。やっぱりショックが大きくて、でも、彼も期待してた曲やから。ちゃんと完成させて、しっかりこう、いときんの思いも詰め込んで、色んな人に恩返ししていこうっていう気持ちで作っていきました。でも作ってる途中で、サビがね、サビの歌詞が中々固まらなかったんですよ。で、そんな時にメンバーのセンコウと二人で『どうしようか?』って。行き詰まってたんで、どちらからともなく、気が付けばいときんの写真の前に2人で座ってた(笑)。その写真っていうのが、いときんの一番最後のライブの時の写真で。でね、この時にはもうガンでステージ4って言われてたんですよ。その写真を見ながらセンコウと『すごいもう、何の迷いも無い顔してんなぁ』って話をしてて。そこから『もう何も迷わない』っていう歌詞をサビに入れたんです。これはもう、自分たちにも言い聞かせてるところがあって、『もうやるしかないやろ!』みたいな。気合いを入れ直すっていうんですかね。だから僕らと一緒に、この曲を聴いてくれた人たちが、ちゃんと前を向いてポジティブになってくれたら最高ですね」
穏やかな表情と物腰で終始対応してくださったKLUTCH氏。大阪万博への思いと地元・大阪や出会った人々に対する愛に溢れたインタビューだった。次回のvol.2ではKLUTCH氏自身についてのことやET-KING結成までの話などについて迫る。見逃し厳禁のvol.2も乞うご期待!
なお、9月にはET-KINGが主催のフェスを地元大阪のなんばHatchで開催!
その名も、『LOCO OSAKA 2019 〜ぜったい損はさせま編〜 』
9/21(土)&22(日) @なんばHatch
ET-KING20年の歴史の中で繋がった全国各地のアーティスト陣を迎え、他では味わえないフェスを開催! また会場横の湊町リバープレイスでは“大阪のカルチャーや美味いグルメ”を楽しんでもらえる『祭』を行うとか!(しかもこちらは入場無料で誰でも参加可能!) ぜひ会場と外を行き来して全力で楽しんでしほしい!
全国から遊びに来るお客さんに『大阪おもろいな!』と感じてもらえる、まさに“ET-KINGらしいお祭り”だ。
20周年は他にも“おもろいこと”が目白押し! 詳しくはこちらから!!